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京都で毎年一回行われる、「六地蔵めぐり」の御朱印を紹介します。六地蔵めぐりでは8月22日~23日にかけて、市内六ヶ所のお地蔵さまをおまつりする寺が終夜オープンし、巡礼の人々や、露店や芸能で大いに賑わいます。この時しか会えないお地蔵さまや、ご朱印もあるんですよ。京都を守るお地蔵さまとご縁を結びに出かけましょう!
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「六地蔵めぐり」は、次の六ヶ寺です。
洛東エリア | 六地蔵 | 大善寺(伏見区) |
山科地蔵 | 徳林庵(山科区) | |
洛南エリア | 鳥羽地蔵 | 浄禅寺(南区) |
洛北エリア | 鞍馬口地蔵 | 上善寺(北区) |
洛西エリア | 桂地蔵 | 地蔵寺(西京区) |
常盤地蔵 | 源光寺(右京区) |
なんだ?どこも中心部から遠そうだな?と思ったあなた、鋭いです!そう、全部、都の中央からは離れた周辺部に位置しているんですね。
というのも六地蔵は、京都に出入りする街道筋に配され、都を守ったり、行きかう人々の安全を願ったりしているお地蔵さまだからなんです。
由来は、平安時代の小野篁(おののたかむら)という実在の人物です。彼にはなんと、「この世とあの世を行き来して、閻魔大王に仕えていた」というスゴイ伝説が残っているんです。
小野篁は、あの世で地蔵菩薩に「衆生と縁を結ぶ(=救う)ために、私の姿を六体彫ってまつれ」と言われ、一木から六体の地蔵を彫ってまつりました。
その六体を最初にまつったのが、今の大善寺と言われています。大善寺と周辺の地名を特に「六地蔵」と言うのはこういう理由なんですね。
平安時代後期には、六体が各所に配され、時代によっては十三ヶ所になったりしながら現代に至っています。
もとは一木から作られたというお話ですが、現在ではどちらのお地蔵さまも、サイズやお顔立ちが違うんですよ。
普段は閉まっている地蔵堂も六地蔵めぐりの時は開帳され、多くのお飾りやお供えでとても華やかです。個性あふれるお姿を拝んでみてくださいね。それではご朱印を見てみましょう!
御朱印で京都六地蔵めぐり「洛東」
「六地蔵 大善寺」
六地蔵の内、奈良(陸路)・大坂(水路)へと向かう街道沿いに当たります。お地蔵さまは境内奥の、六角堂の中にいらっしゃいます。
とってもきれいなお顔立ちで、六地蔵めぐりの日に御開帳され明るく照らされていると、まぶしく感じるほどです。重要文化財です。
(六地蔵尊ご朱印)
☆大善寺 京都市伏見区桃山町西町24
地下鉄「六地蔵」駅・京阪電車「六地蔵」駅下車徒歩10分 9時~16時
「山科地蔵 徳林庵」
東海道・旧三条通沿いの四宮にあるので、四宮地蔵とも、廻(めぐり)地蔵とも呼ばれています。
六地蔵めぐりの中でも一番の人出で、旧三条通は山科駅前から露店が続き、特に夕方から夜にかけては普通に歩けなくなるほどです。
もちろん車は通れません。徒歩でもお急ぎの場合は旧三条通は避けて、路地や裏道からアプローチしてくださいね。
ちなみに徳林庵は、六ヶ寺で唯一の臨済宗のお寺です(他は浄土宗です)。
(廻地蔵 ご朱印)
☆徳林庵 京都市山科区四ノ宮泉水町16
京阪電車「四ノ宮」駅下車徒歩5分
JR「山科」駅・地下鉄「山科」駅下車徒歩10分
地蔵堂はいつでも参拝できます
夏の終わりの風物詩
京都 六地蔵巡り
旧東海道沿いにある 山科 徳林庵
美しいお地蔵様
穏やかに日々が過ごせますように。。。 pic.twitter.com/Njgz50zs0M— 京からす (@KYOKARASU) 2017年8月22日
御朱印で京都六地蔵めぐり「洛南」
「鳥羽地蔵 淨禅寺」
大坂へと向かう街道沿いに当たります。一番、ドドン!としていらっしゃるお地蔵さまです。
ご朱印の左上の「恋塚」は、平安末期に北面の武士であった遠藤盛遠が、人妻だった袈裟御前に恋し、誤って彼女を殺めてしまったという物語によるもので、境内には袈裟御前塔などもあります。
☆浄禅寺 京都府京都市南区上鳥羽岩ノ本町93
市バス「地蔵前」バス停下車すぐ 9時~17時
【ちょっと休憩】六地蔵の巡り方
六地蔵めぐりの寺院は、京都の周辺部にあります。それぞれに最寄駅やバス停はありますが、ぐるっと巡るとなると、お世辞にも便利とは言えません。
①電車・バスでめぐる場合
比較的アクセスがいいのは、次の3か所です。
鞍馬口地蔵(地下鉄「鞍馬口」駅↔「御池」駅のりかえ↔「山科」駅)
↕
山科地蔵(地下鉄「山科」駅↔「六地蔵」駅)
↕
六地蔵
また、この2か所も、比較的移動しやすいです。
桂地蔵(阪急電車「桂」駅↔「大宮」駅のりかえ↔京福電鉄「常盤」駅)
↕
常盤地蔵(→JR「太秦」駅へも)
上の組み合わせに、バスしかない浄禅寺をどう入れるか、ということになります。
もちろん、ここだけタクシーを使うという手もあります。その場合は近鉄電車の「上鳥羽」駅か、地下鉄の「竹田」駅からになります。帰りも予約しておいてください。
朝から計画的に巡れば一日でも行けますが、何せ暑い季節です。この頃の京都は、また本当に暑いんです…
六地蔵めぐりは二日間ありますので、無理をしないでお参りくださいね。
②「六地蔵めぐり」バスツアーを利用する
旅行会社が企画し募集しているバスツアーに参加する方法です。確実にめぐれますし、楽ですよね。デメリットは、参拝時間に制限があることでしょうか。
③タクシーを利用してめぐる
お財布に余裕があれば、一番楽な方法です。融通も利きますし、人数がそろえばよりお得ですね。かなりの距離になりますので、距離制のタクシーよりは、一日契約などのハイヤーをおすすめします。
④ 深夜に自家用車でめぐる
昼間、あるいは宵の口はどこも人出が多く、駐車場がない寺院もありますので、自家用車での移動はおすすめできません。でも、深夜(22時以降)でしたら話は別です!
道はすいていて、駐車場は(お寺のでも、コインパーキングでも)とめやすく、人も少なくて涼しいです。ゆっくりお参りできますよ。
ちなみに私は主にこの方法でめぐっていました(当時は車ではなく、バイクでした…かなり根性がいりましたが)。
寺院周辺は民家ですので、大きな声でのおしゃべりなどはNGです。くれぐれも周辺にはご配慮くださいね。
また、長丁場になりますので、お昼間にしっかり休息をとってから、お気をつけて行ってください!それにしても、昔の人はこの距離を、よく徒歩で巡られましたよねぇ…
御朱印で京都六地蔵めぐり「洛北」
「鞍馬口地蔵 上善寺」
現在は鞍馬口通りにありますが、元はもっと北の深泥池(みどろがいけ)のほとりにあり、みぞろヶ池地蔵とも呼ばれていました。
まさに昔の鞍馬街道の入口にあったのですね。とても面長の、「シュッとした」お地蔵さまです。
境内では8月22日の夜8時から、無形民俗文化財にも指定されている「六斎念仏踊り」が奉納されます。獅子舞は想像以上にアクロバティックです。獅子に頭を噛んでもらって、厄払い&開運してくださいね。
ところで、このご朱印、かなりのレアケースなんです!よーくご覧ください。何だか賑やかな感じがしませんか?
お地蔵さん、お寺名、六地蔵巡拝などの印が複数ありますよね?しかも紙に書いてもらったものを貼った上から、また印が押されています。
日付は…平成二十四年の横に、平成二十三年とあります。そう、二重押しなんです!!
実は平成二十三年は、六地蔵めぐりの最後に鞍馬口地蔵にお参りしてから、ずっとご朱印を頂いていなかったんです。
そして翌年の最初が六地蔵めぐり…そのまた最初に行ったのが、偶然、鞍馬口地蔵だったのです!
二重押しになったのは私も初めてでした(何度も頂かなくてもいいという話もありますが、ご縁のものなので…)。紅色の朱肉の方が二十四年のものです。
☆上善寺 京都市北区鞍馬口通寺町東入ル上善寺門前町338
地下鉄「鞍馬口」駅下車徒歩5分 市バス「出雲路橋」バス停下車徒歩3分
9時~16時
御朱印で京都六地蔵めぐり「洛西」
「桂地蔵 地蔵寺」
西国に向かう街道沿いに当たります。代々の尼寺(今もかな?)らしく、お優しいお顔立ちです。
前に座って心の中で打ち明けごとをしていると、いつもなぜか涙が出てくるお地蔵さまです。
普段の拝観はありません。六地蔵めぐりの日にぜひご参拝ください。8月22日の夜8時からは、平家琵琶の奉納もあるそうです。
☆地蔵寺 京都市西京区桂春日町9
阪急電車「桂」駅下車徒歩5分、市バス「桂消防署前」下車すぐ
普段は非公開です
地蔵寺(桂地蔵)浄土宗。京都六地蔵巡りの霊場。 pic.twitter.com/tydKqgCFV6
— 弥勒菩薩*✲゚*ஐฺ・:*: (@NYOIRIN_KANNON) 2015年10月12日
「常盤地蔵 源光寺」
高雄から北に抜けていく、周山街道沿いに当たります。乙子(おとこ)地蔵ともよばれる、とってもかわいくて別嬪さんなお地蔵さまです。
私が最後にご朱印を頂いたのは平成19年と、ずいぶん前のことですが、お地蔵さまは光明地救本尊としてまつられていました。
ご朱印などは六地蔵めぐりの時のみ頂けます。
余談ですが、六地蔵めぐりの時はご朱印を書いて下さる係の方も大忙しです。ですので、いろんな方がお手伝いに入られていたりします(特に夜中など)。
あの方の字がいい!などのご希望もおありかと存じますが、仏様のお名前(=仏様そのもの)をありがたく頂くのに、字の好みは関係ありません。混雑時には特に、周囲や係の方にご配慮くださいね。
☆源光寺 京都市右京区常盤馬塚町1
京福電気鉄道「常盤」駅下車徒歩3分
JR「太秦」駅下車徒歩7分
9時~、閉門は曜日によります
まとめ
ご朱印でめぐる六地蔵、いかがでしたか?お地蔵さまは、仏様の中で唯一、この世にやってきて、私たちを助けてくださる菩薩です。
京都ではお寺だけではなく、町内に必ずいらっしゃって、私たちを見守って下さる身近な存在で、8月下旬にはそれぞれの町内で地蔵盆という行事が行われるんですよ。
また、六地蔵めぐりをすると、お寺のあちこちにつるされている色とりどりの「お幡(はた)」にも気が付かれることでしょう。ご朱印と同じく参拝するときに頂くもので、お幡を持ち帰り玄関などに吊るしておけば、家内安全と言われています。
境内に吊るされているものは、一年間家を守って下さり、お寺に納められたお幡なのですね。
六地蔵めぐりには、年に一度、古くから都を守る由緒あるお地蔵さまにご縁を頂きたい、そして、私たちの暮らしが健康で、平和で、幸せでありますように、そんな願いがこもっています。
みなさまにも素晴らしいご縁がありますように!
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20年以上のキャリアを持つフリーアナウンサー稲野一美です。全日本カート選手権や86/BRZRaceなど、レース実況をしているほか、テレビ・ラジオ、式典司会も行っている、元 京都きものの女王です。
また、歴史に詳しいことから、京都歴史ツアーガイドでリピート率80%以上を誇る人気ガイドとして多くの常連さんから支持を集めています。
趣味は、寺社仏閣、史跡巡り、ドライブやゴルフ、俳句、囲碁、ボランティアなど幅広く、日々多くの情報と触れ合っています。
【公式サイト】Free Announcer 稲野一美