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北野天満宮は、全国の天満宮と天神社の総本社です。学問の神様・菅原道真は、平安時代に遣唐使を廃止するなど国風文化発展のきっかけを作った実在の人物です。ではなぜ神様になったのでしょうか?毎月25日には縁日でにぎわう梅の名所「天神さん」をご紹介します!
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北野天満宮の沿革
ご祭神の菅原道真は平安時代前期の学者です。若いころから文才があり、貞観十六年(874年)、29才の若さで文章博士となりました。宇多天皇・醍醐天皇に信任されて異例の大出世をし、ついに右大臣にまで進みます。
しかし、道真の出世には、菅原氏を登用して藤原氏の権勢を削ごうという意図がありました。左大臣だった藤原時平は不満に思い、延喜元年(901年)、道真を陥れて福岡県の太宰府に左遷しました。道真は失意のまま2年後に亡くなってしまったのです。
当時、不遇の死を遂げた人物は怨霊となって祟るという信仰がありました。都では時平が6年後に若死にし、宮中には雷が落ちるなど変事が続きます。延長元年(923年)には亡き道真を右大臣に復しましたが効果はありません。特に、延長八年(930年)の清涼殿への落雷は道真の祟りとされました。
当時を知る人は後ろめたく恐ろしかったのでしょう。ついに道真は神として祀られることになりました。社伝によると、天慶五年(942年)多治比文子(たじひのあやこ)に、後に近江国比良の神職の息子に道真を祀れという託宣があり、現在地に社殿を設けたのが始まりだそうです。
もともと、平安京大内裏の北側にあった北野は、天皇の代替わりの祭祀にもかかわる清浄の地とされており、道真以前にも、遣唐使の航海安全を祈願して天神地祇(てんしんちぎ)が祀られていました。また、五穀豊穣を祈って雨をつかさどる雷神が祀られていたのですが、この雷神が菅原道真の怨霊と結びついたと考えられています。
学問・文芸の神にあやかって、室町時代には連歌の中心地となったほか、豊臣秀吉が北野大茶会を催したり、出雲の阿国が歌舞伎踊りを初めて興行し歌舞伎発祥の地になったりした、風流な場所でもあるんですよ。
現在の社殿は慶長12年に豊臣秀頼が再興したもので、桃山時代の華麗な装飾がみどころです。本殿は国宝、三光門は重要文化財です。
北野天満宮のおすすめポイント
参拝後のおすすめは、「天神さんの七不思議」めぐりと、秀吉の御土居の散策です。北野天満宮には昔から「七不思議」が伝わっています。要点をご紹介しますので、ぜひ境内をめぐってみてください。
《天神さんの七不思議》
①影向松(ようごうのまつ) | 一の鳥居をくぐってすぐ右手の松で、初雪が降ると道真公が降臨されるそうです。 |
②筋違いの本殿 | 楼門と本殿が一直線になっていないんです。これは、もとから地主神社があったからだそうです。 |
③星欠けの三光門 | 三光といえば太陽と、月と、星(北極星)なのですが、の門には太陽と月の彫刻はあっても星はないという不思議です。 |
④大黒天の灯篭 | 三光門の東南の灯篭に大黒天さまがいらっしゃいます。お口に、小石を乗せて落ちなければ持ち帰りましょう。お金に困らないといわれています。 |
⑤唯一の立ち牛 | 天満宮の牛はすべて臥せている姿なのですが、拝殿欄間の牛の彫刻だけは立ち姿をしています。 |
⑥裏の社(うらのやしろ) | 本殿の裏側にも神様がお祀りされているのでご参拝ください。道真公の祖先と、おじい様と、お父様です。 |
⑦天狗山 | 境内の北西角にある小山で、室町時代の絵図に天狗が描かれているところから名付けられた神聖な場所です。 |
もうひとつのおすすめは、御土居の散策です。
北野天満宮のもみじ苑は、紅葉ライトアップの穴場です!土手の両側から紙屋川の流れにむかって重なっていく紅葉の美しさは格別ですし、初夏は青もみじが美しく、静かに散策を楽しむことができます。
でも、それだけではありません。実はこのもみじ苑、入口側の土手が、史跡・御土居(おどい)の跡なんです!
御土居とは、豊臣秀吉が天正十九年(1591年)に、都をかこって「洛中」と「洛外」をわけた土塁のことです。かつては都を一周していたのに、現在は数か所に残るのみという、貴重な史跡なんですよ。
天満宮の御土居は河川の崖=自然の地形を利用している、北西部だけのつくりです。もみじ苑の公開は初夏と秋の期間限定ですので、公開されているときにはぜひご覧ください。
マニアックなおすすめ
秋の祭礼「瑞饋(ずいき)祭り」では、屋根をずいきでふき、お飾りも野菜など食べ物でできている珍しいお神輿が見られます。道真以前から、祈雨と五穀豊穣を願ったお社だったという歴史がしのばれますよね。
北野天満宮の観光情報
所在地 | 京都府京都市上京区馬喰町 |
交通アクセス | 市バス 「北野天満宮」下車すぐ
京福電気鉄道北野線 北野白梅町駅より徒歩5分 |
拝観時間 | 5時~18時(季節による) |
料金 | 無料。宝物殿・もみじ苑・梅苑は有料 |
備考 | 授与所の受付は9時~17時(ライトアップ期間は延長)
無料駐車場有(毎月25日は閉鎖) |
北野天満宮はこんな人におすすめ
「学業成就」と、「ランボルギーニ」です!
菅原道真は学問の神様ですので、受験生はもちろん、勉学に励みたい方におすすめです。お札やお守り、絵馬のほかにも、鉛筆のセットなどもいただけますよ。
また、修学旅行生には、班ごとやクラスごとなどのご祈祷もありますので、学校に相談してみてくださいね。
もうひとつ、ヨーロッパ車、特にランボルギーニが好きな方にもおすすめです!
天神さんで、どうしてランボルギーニ?と思われる方もいらっしゃると思いますが、実は最近、ランボルギーニでやってきて、ご祈祷を受けられる方が増えてきているんです。理由は拝殿の彫刻にあります。
天神さんの牛は故事にちなんで臥せた姿をしているのですが、拝殿の欄間に彫られている牛だけはなぜか立っていて、「唯一の立ち牛」として北野天満宮の七不思議にもなっています。この牛の姿がランボルギーニの闘牛のエンブレムに似ていると評判になったんですね。
愛好家が連れ立って参拝されるときには、駐車場にランボルギーニがずらっと並ぶとのことです。いつか手に入れたいと思っているあなた、ぜひあやかってください!
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20年以上のキャリアを持つフリーアナウンサー稲野一美です。全日本カート選手権や86/BRZRaceなど、レース実況をしているほか、テレビ・ラジオ、式典司会も行っている、元 京都きものの女王です。
また、歴史に詳しいことから、京都歴史ツアーガイドでリピート率80%以上を誇る人気ガイドとして多くの常連さんから支持を集めています。
趣味は、寺社仏閣、史跡巡り、ドライブやゴルフ、俳句、囲碁、ボランティアなど幅広く、日々多くの情報と触れ合っています。
【公式サイト】Free Announcer 稲野一美