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寺社仏閣巡りをしながら御朱印を集める人は多いです。御朱印は寺社仏閣ごとに個性があり、たくさん集めるとご利益だけでなく、参拝の思い出にもなるでしょう。この記事では、奈良観光のおすすめとして、大和十三仏霊場の御朱印を一気に案内します。
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大和十三仏霊場ご朱印とは?
奈良には多くのお寺があり、数えきれないほどの仏さまが安置されています。「東大寺は行ったけど、他はどこをお参りすればいいの?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでおすすめするのが大和十三仏霊場めぐりです!
奈良盆地を中心に、ご朱印を頂きながら、県内の13ヶ所のお寺をめぐっていくものです。
霊場となってい入る寺院は、どれも長ーい歴史のある、有名な寺院ばかりです。ぐるっとめぐれば、私たちをお守りくださる「大和」の「十三仏」を順にお参りすることができちゃうという、奈良ビギナーにも、ツウにもおすすめの霊場めぐりなんですよ!
十三仏ってなーに?
それぞれの仏様、どなたかわかりますか?答えは以下の通りです。
「十三仏」は、数多くいらっしゃる仏さまのなかでも、特に私たちに身近な、ご縁の深い仏さま方です。
お不動さまのように悪を祓って下さったり、文殊さまのように知恵を授けて頂いたりはもちろんのこと、それぞれに、生まれ年の守り本尊となり、死後は、生まれ変わるまでのサポートをして下さる仏さまなんですよ。
では、まずチェックしてみてください!あなたはどの仏さまにまもられていますか?
札所 | 仏さまの名前 | 死後の守り | 生まれ年の守り |
第一番 | 不動明王(ふどうみょうおう)さま | 初七日 | 酉年生まれ |
第二番 | 釈迦如来(しゃかにょらい)さま | 二七日 | |
第三番 | 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)さま | 三七日 | 卯年生まれ |
第四番 | 普賢菩薩(ふげんぼさつ)さま | 四七日 | 辰・巳年生まれ |
第五番 | 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)さま地蔵菩薩(じぞうぼさつ)さま | 五七日 | |
第六番 | 弥勒菩薩(みろくぼさつ)さま | 六七日 | |
第七番 | 薬師如来(やくしにょらい)さま | 七七日(四十九日・満中陰) | |
第八番 | 観音菩薩(かんのんぼさつ)さま | 百か日 | 子年生まれ |
第九番 | 勢至菩薩(せいしぼさつ)さま | 一周忌 | 午年生まれ |
第十番 | 阿弥陀如来(あみだにょらい)さま | 三回忌 | 戌・亥年生まれ |
第十一番 | 阿閦如来(あしゅくにょらい)さま | 七回忌 | |
第十二番 | 大日如来(だいにちにょらい)さま | 十三回忌 | 未・申年生まれ |
第十三番 | 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)さま | 三十三回忌 | 丑・寅年生まれ |
いかがでしたか?
中にはあまりなじみのない仏さまもいらっしゃって、ピンとこない…と言う方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも、だいじょうぶ!
実際にお参りして由緒などを知れば、どんな仏さまかもわかるし、ぐっと身近に感じられますよ。
「大和十三仏霊場」は第一番から、第十三番まで番号がついていますが、どの寺院から参拝しても大丈夫です。
生まれ年の守り本尊から拝むもよし、エリアで選ぶもよし、縁日や境内のお花の見ごろにあわせるのもいいですね。
皆さんなりの順番で、仏さまとご縁を結んで行ってくださいね。
最初に十三仏守護屏風がもらえる!
最初の寺院で十三仏めぐりをする旨を伝えると、屏風型の台紙がもらえます。
最初は印がない状態なのですが、寺院名が書かれた場所にご朱印を頂いていくと、写真のようになるんですね。
(ご朱印をいただく時は志納が必要です)
最後には肌守りセットがもらえる!
肌守りってこんなのです。
全てめぐり終わり、最後のご朱印をいただく時には、「生まれ歳 守り本尊 肌守りセット」がいただけます!
生まれ年を守って下さる仏さま、9枚のカード(お守り)で、全ての年の守り仏さまなので、あなただけではなく、ご家族にも渡して頂けます。
巡礼が終わっても、カード入れやお財布などに入れて、いつもご縁を感じてください!
大和十三仏霊場の寺院をご紹介!
大和十三仏霊場は、次のように番号がついています。
札所 | 寺院名 | エリア |
第一番 | 宝山寺(ほうざんじ) | 西部エリア |
第二番 | 西大寺(さいだいじ) | 北部エリア |
第三番 | 安倍文殊院(あべのもんじゅいん) | 南部エリア |
第四番 | 長岳寺(ちょうがくじ) | 東部エリア |
第五番 | 金剛山寺(こんごうさんじ) | 西部エリア |
第六番 | 当麻寺中之坊(たいまでらなかのぼう) | 西部エリア |
第七番 | 新薬師寺(しんやくしじ) | 北部エリア |
第八番 | おふさ観音寺(おふさかんのんじ) | 南部エリア |
第九番 | 長弓寺(ちょうきゅうじ) | 西部エリア |
第十番 | 霊山寺(りょうせんじ) | 西部エリア |
第十一番 | 信貴山玉蔵院(しぎさんぎょくぞういん) | 西部エリア |
第十二番 | 円成寺(えんじょうじ) | 北部エリア |
第十三番 | 大安寺(だいあんじ) | 北部エリア |
せっかくなので、第一番から順にめぐりたいところですが、ご覧のように、それぞれの地域はバラバラで、順番に行くととても時間がかかってしまうんです。
そこで、このページでは、皆さんがイメージしやすく、実際に巡りやすいように、エリアごとにご紹介していきますね!
御朱印デビュー!!
ご利益があるといいよね〜私も少し頂いてる!見守ってもらえるように感謝しながら行動しなきゃ〜と思っても、つい自分勝手なことしてて反省😅
また奈良町も行きたいな。— RP☆yumi☆NS (@RPyumi2) August 2, 2019
奈良西部エリア
第一番 宝山寺(ほうざんじ)不動明王(ふどうみょうおう)さま
近鉄生駒駅からケーブルに乗って、一気に生駒山へ。門前のたたずまいからは、かつてのにぎやかな参道の様子をしのぶことができます。宝山寺は「生駒の聖天さん」として有名なお寺です。
聖天さん、とは、歓喜天さま。願い事をかなえてくださる力がとっても強いことで有名です。
でも、約束を破ったときの、怒り方もコワイんです。
ということで、境内には「○○をやめますから願いをかなえて下さい」というお願いの仕方は、よくよく考えてからにしましょう。
という意味の注意書きもあったりします(意志の弱い私にはとても無理だなぁ)。
お不動さまは、今から三百年前にお寺を再興した湛海律師の自作だそうで、毎年四月一日には大護摩会式が、十一月の初めには三千もの仏さまのお名前を唱える仏名会も行われます。
周辺は緑が美しく、おしゃれなカフェなども点在します。車で信貴生駒スカイラインに入れば、大阪から神戸、淡路島のすばらしい景色も眺められますよ!
奈良県生駒市門前町1-1 0743-73-2006
近鉄生駒ケーブル「宝山寺」駅下車すぐ
第十一番 信貴山 玉蔵院(しぎさん ぎょくぞういん) 阿閦如来(あしゅくにょらい)さま
宝山寺から信貴生駒スカイラインをドライブすると、終点出口にあるのが、信貴山朝護孫子寺(しぎさんちょうごそんしじ)です。
山に沿ってたくさんのお堂が立つ広いお寺で、玉蔵院は塔頭(たっちゅう。子院のこと)のひとつです。
朝護孫子寺のシンボルは、ずばり、寅(とら)です!聖徳太子が戦勝を祈願したら、寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天を感得したことによるもので、境内のあちこちに寅の像があります。
行事の時にはキャラクターの「しぎとらくん」も登場するんですよ。名物も「寅まんじゅう」と、まさに寅づくしです!
「阪神タイガース必勝祈願」をされる方も多く、特に寅の年のお正月は大変なにぎわいになります(周辺はすごく渋滞します)。
毘沙門天は商売繁盛の仏さまでもあり、お金にまつわる仏さまのお堂もありますので、金運や商売運を上げたい方には特におすすめです。
その他にも、ありとあらゆるご利益の仏さまのお堂がいっぱいで、奥の院も含め、全部めぐるのは大変なくらいです。
そうそう、本堂をお参りしたら、地下の真っ暗闇を手探りで歩く「戒壇めぐり」にもチャレンジして、「幸せを呼ぶ錠前」にも、触れてきてくださいね。
奈良県生駒郡平群町信貴山 0745-72-2881
JR王寺駅・近鉄信貴山下駅よりバス「信貴山門」下車すぐ
第六番 当麻寺 中之坊(たいまでら なかのぼう)弥勒菩薩(みろくぼさつ)さま
当麻寺と言えば、二上山のふもとの塔の風景と、中将姫伝説が有名です。中之坊は子院で、重要文化財の書院と名勝の庭園で知られています。
奈良の古代の人にとって、盆地の西の端にある二上山(にじょうざん。古代はふたかみやまと言いました)は、日が沈む山であり、この世とあの世の境目に当たるような場所でした。
二つの塔(国宝)は、奈良時代~平安時代に建てられたもので、奈良らしい、素朴なたたずまいが印象的です。中将姫伝説は鎌倉時代以降に作られたお話です。
簡単にまとめると、継子いじめにあった中将姫が、命を取りとめて出家し、蓮の糸で一晩で曼荼羅を織った、その後29歳で亡くなった時には、阿弥陀仏と二十五菩薩が迎えに来て極楽往生した…というものです。
現在も、中将姫の極楽往生を模した練供養(正式名は「聖衆来迎練供養会式(しょうじゅうらいごうねりくようえしき)」)が4月14日に行われ、境内ではきらびやかな面と衣装の二十五菩薩が中将姫と極楽に向かう様子が再現されているんですよ。
境内には他に、本堂や、塑造(土でできてます!)の弥勒菩薩像など、国宝が多くあります。
春のぼたんでも知られています。
よもぎ餅にあんこを乗せ、ぼたんの花びらをかたどった名物「中将餅」も、ぜひ召し上がってくださいね。
奈良県葛城市当麻1263 0745-48-2001
近鉄南大阪線「当麻寺」駅下車 徒歩15分
第九番 長弓寺(ちょうきゅうじ)勢至菩薩(せいしぼさつ)さま
長弓寺は、寺伝によると、奈良時代の神亀五年(728年)に聖武天皇の勅願で、行基が建立したお寺です。
伝説では、聖武天皇に従って狩りに出た小野真弓長弓が、息子の矢に当たって死んでしまったのを悼んで建てられたとされ、御本尊の十一面観音像(重要文化財)の仏面は聖武天皇の弓を刻んだものだそうです(ただし、御本尊は平安時代の作です)。
本堂は国宝で、鎌倉時代の密教本堂の代表的建築です。十三仏めぐりの勢至菩薩さまは、大師堂におまつりされています。
参道入口には鳥居があり、境内には神社が祀られるなど、神仏習合の名残もあるんですよ。
境内のあじさいと、本格的な精進料理もおすすめです。薬師院など塔頭にお問い合わせください。
奈良県生駒市上町4442 0743-78-2437
近鉄奈良線富雄駅よりバス「生駒上町」下車すぐ
第十番 霊山寺(りょうせんじ) 阿弥陀如来(あみだにょらい)さま
こちらも長弓寺と同じく、聖武天皇の勅願で行基が建立したといわれているお寺です。
もともとはさらに前、遣隋使で有名な小野妹子の息子と伝わる小野富人が、湯屋に薬師三尊仏を祀り、薬草風呂で人々の病を治していたそうで、皇女も(代参ですが)心の病をいやしています。
境内の「薬師湯殿」では、当時のように、天然成分の薬草風呂に入れるんですよ。
山肌に沿った境内では、800年以上前に作られたといわれる阿弥陀如来像(重要文化財)をはじめ、本堂(国宝)など貴重な文化財が数多く点在し、季節によって公開されています。
最近はお華で有名な假屋崎省吾さんのイベントも開催されています。古い建築と現代的なお華の取り合わせがすてきなんですよ!
また、境内には平和を願ったバラ園もあり、春、秋には香りのよい見事なバラを見ることができます。シーズンにはバラのジャムの紅茶が飲めるカフェや、バラグッズのお店もぜひのぞいてみてくださいね。
奈良県奈良市中町3873 0742-45-0081
近鉄奈良線富雄駅よりバス「霊山寺前」下車すぐ
奈良北部エリア
第十二番 円成寺(えんじょうじ)大日如来(だいにちにょらい)さま
奈良市内中心部から、剣術で有名な柳生の里に向かって走ると、国道沿いの山中にあるのが円成寺です。
奈良時代に鑑真の弟子が開いたといわれている円成寺の見どころは、まず第一に国宝の大日如来座像です!
なんと、あの有名な仏師・運慶が作った、最初期の仏像なのです。
平安時代は、定朝に代表される、貴族好みのふっくら優美な姿の仏像が好まれていました。ところが鎌倉時代には、武士の世にふさわしい、力強い表現が主流になっていきました。この「新しい流れ」を作った仏師が運慶です。
父・康慶の仕事を見ながら研鑚に励んだであろう、運慶20歳代の作といわれる大日如来像からは、若々しい印象を受けます。
多宝塔にまつられているので、少し暗いですが、覗いてみてください。
いつの世も、新しい表現は常に厳しい批評にさらされます。京都の仏師との軋轢もあったことでしょう。運慶はどんな気持ちで乗り越えていったのか…いろいろ想像してしまいます。
もうひとつの見どころは、庭園です。平安時代末期に作庭されたといわれ、貴族の邸宅の庭園様式を伝える浄土式庭園で、名勝に指定されています。池の島が優美ですよね。
元々は橋が架かっていたそうです。紅葉の頃は特にきれいですよ。
周囲には石仏もあり、奈良市内からのハイキングコースにもなっていますが、路線バスの本数が少ないので、バス利用の場合は帰りの時刻表をチェックしておいてくださいね。
奈良県奈良市忍辱山町 0742-93-0353
JR・近鉄奈良駅からバス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ
第七番 新薬師寺(しんやくしじ)薬師如来(やくしにょらい)さま
新薬師寺も、仏像にご注目頂きたいお寺です!聖武天皇の病気平癒のために、天平十九年(747年)に建てられた新薬師寺は、当時は南都十大寺の一つに数えられ、百人以上の僧が住んだ大寺院でした。
本堂には薬師如来さまを取り囲むように、奈良時代の十二神将がずらりと安置されています(実は今の本堂は、最初は本堂ではなかったのですが、当時の建物で唯一現存するもので、国宝です)。
御本尊の薬師如来像はいかにもお優しい雰囲気。十二神将はほぼ等身大で、躍動感にあふれ、息をのむ迫力です。部分的に当時の彩色も残っています。いずれも国宝です。
修二会(しゅにえ)というと東大寺二月堂が有名ですが、新薬師寺でも4月8日夜に10本の大松明が本堂の周りをめぐります。寒い時の二月堂と違って、桜の花に彩られるんですよ。
周辺には志賀直哉の旧宅や、奈良市写真美術館、自転車乗りに有名なカレー屋さんなど、見どころがたくさん。
車の場合、周辺の道が少し狭いのでお気をつけくださいね。
奈良県奈良市高畑福井町1352 0742-22-3736
JR・近鉄奈良駅よりバス「破石町」下車徒歩8分
第十三番 大安寺(だいあんじ)虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)さま
大安寺は、日本で最初の国立(天皇が建てた)寺院です。元々は聖徳太子の遺言で建てられたお寺が、名を変え場所を変え、そのたびに大きくなり、平城京にできた時には東大寺と同規模の巨大な寺院で、「大安寺式」伽藍配置に70メートル級の七重の塔がそびえていたといいます。
平安時代には最澄や空海とも大きくかかわっていました。特に空海は、大安寺で、あらゆる経典を理解できるようになる「虚空蔵菩薩求聞持法」を修して勉学に励みました。
三論宗の根本道場として重要な寺院でしたが、火災や焼打ち、地震などで次第に衰退、明治になってから再興されたんだそうです。
現在は「がん封じのお寺」として有名で、1月23日の「がん封じ笹酒まつり」や6月23日の「竹供養(がん封じ夏祭り)」ではがん封じの笹酒が授与されます。
また、奈良時代の重要文化財、十一面観音像や馬頭観音像は普段は秘仏ですが、特別公開もありますので、ぜひ時期を合わせてお出かけください。
奈良県奈良市大安寺2丁目18-1 0742-61-6312
JR・近鉄奈良駅よりバス「大安寺」下車徒歩10分
第二番 西大寺(さいだいじ)釈迦如来(しゃかにょらい)さま
「東大寺があるんだから、西大寺もあるんじゃないの?」と思われた方、そうなんです。平城宮跡の西側、近鉄「大和西大寺」駅の近くにあるんですよ。
東大寺は聖武天皇によって建立されましたが、西大寺は娘の称徳天皇(当時は孝謙上皇)によって創建されました。
天平宝字八年(764年)、藤原仲麻呂の乱が起きた夜に、反乱鎮圧を願って四天王像を造立することを誓願されたのがきっかけだったそうです。
今も、当時の塔の立派な基壇が残っています。大きな塔だったんでしょうねぇ…。
また、鎌倉時代に西大寺を再興した叡尊は、自らの修行やお寺の復興だけではなく、貧民救済の社会福祉にも貢献したすごいお坊さんです。
西大寺と言えば、春と秋に、頭がすっぽり入ってしまうほどの大きな抹茶茶碗でお茶を回し飲みする「大茶盛式」が有名ですが、これも叡尊が延応元年(1239年)に八幡神にささげたお茶を参詣の人にふるまったのが始まりと言われています。
30名以上の団体だと特別に受け付けてくださるそうですよ。
奈良県奈良市西大寺芝町1-1-5 0742-45-4700
近鉄「大和西大寺」駅下車徒歩3分
第五番 金剛山寺(こんごうさんじ)(通称:矢田寺)地蔵菩薩(じぞうぼさつ)さま
奈良の人に「金剛山寺ってどこですか?」と聞いても「えっ?」と聞き返されるかもしれません。でも「矢田寺」と言うと「ああ、お地蔵さんの」と通じるでしょう。金剛山寺は、ずばり、お地蔵さんとあじさいで有名なお寺なのです。
創建のきっかけは今から1300年前、大海人皇子(後の天武天皇)の壬申の乱の戦勝祈願だったといいます(奈良は本当に古い歴史を持ってるんだと感じますよね…)。
日本最古の延命地蔵菩薩をおまつりし、平安時代からは地蔵信仰の中心地として栄えてきました。
地蔵像は手の形が独特で、阿弥陀さまのようなので、お地蔵さまと阿弥陀さま、両方のご利益があるといわれているんですよ。
境内には八十八か所巡礼の道もあります。一周4.5キロメートルで、大和平野が一望できるスポットもあり、とてもさわやかです。歩きやすい靴でお出かけください。
奈良県大和郡山市矢田町3506 0743-53-1522
近鉄郡山駅徒歩3分 「郡山市役所前」バス停よりバス「矢田寺前」下車すぐ
奈良東部・南部エリア
第十一番 長岳寺(ちょうがくじ)普賢菩薩(ふげんぼさつ)さま
長岳寺は、奈良盆地の東側、「山の辺の道」のちょうど中間地点にあるお寺です。山の辺の道は、自然豊かな山の麓をのんびり歩きながら、石上神宮や大神神社、崇神天皇陵など歴史スポットをたずねることができる人気の観光ウォーキングコースなんですよ。
おすすめは、平安時代の天長元年(824年)創建当初の、日本最古の鐘楼門です!とても優美な雰囲気を持っています。創建された弘法大師も、きっとご覧になっていたでしょうね。
境内は、池を中心にお堂などが点在していて、時期になるとどうだんつつじや花しょうぶがきれいです。お庭にある石の弥勒菩薩像(鎌倉時代)は、なんと古墳の石棺に彫られているんですよ。
また、庫裏として使われている旧地蔵院(江戸時代)の、小さいながらも巧みに高低差をつけ、立体的に作られているお庭もすてきです。
奥には、大変美しい普賢菩薩さまがいらっしゃいます。ぜひ出会ってきてください。
そうそう、横にある「天理市トレイルセンター」もおすすめなんです!周辺の歴史の案内のほか、ちょっとしたお土産、小腹を満たすのにちょうどいい炊き込みご飯などの販売もされていて、休憩にぴったりです。
なにより、大阪の有名店が「地元に貢献したい」とオープンしたレストランの本格的な洋食は大人気で、隣の崇神天皇陵を見ながらゆっくりと楽しむことができますよ!
奈良県天理市柳本町508 0743-66-1051
JR「柳本」駅より徒歩20分
第三番 安倍文殊院(あべのもんじゅいん)文殊菩薩(もんじゅぼさつ)さま
安倍文殊院は、創建がなんと大化の改新の時(645年)という、とても古いお寺です。
一番の見どころは、獅子に乗った日本最大の文殊菩薩像です。像の高さは7メートルもあり、迫力満点です。周囲に従えた方々と共に、海を渡って知恵を授けに来て下さる旅の様子を表しているそうです。
文殊菩薩像はいかにも賢そうな美男子でかっこいいし、乗っている獅子の顔は「あーん」って感じで少し横を向いていて、ユニークなんです!
見るからにただものではない、これらの像の作者は仏師・快慶で、すべて国宝です。さすがですよね。
境内には創建者である安倍倉梯麻呂のものと伝わる古墳もあります。石室がスッキリ綺麗で、高い技術がしのばれます。
また、秋には境内のコスモスの迷路もオープンします。お花畑気分を味わってくださいね。
奈良県桜井市安倍山 0744-43-0002
JR・近鉄 桜井駅よりバス「文殊院前」下車すぐ、または駅より徒歩20分
第八番 おふさ観音寺観音菩薩(かんのんぼさつ)さま
おふさ観音は「ぼけ封じ」と「バラ」で有名な庶民のお寺です。
江戸時代にはお寺の周辺は池でした。慶安三年(1650年)のある日、おふささんが池のふちを歩いていたら、白い亀の背に乗った観音があらわれました。この観音をおまつりしたのが始まりといわれています。
ご本尊の十一面観音像は、同年、京都の比叡山から遷されたもので、秘仏ですが、毎年4月17・18日に公開されます。この日はぜひ本堂に入ってお参りくださいね。
「ぼけ封じ」としては、おふさ観音寺は体の、安倍文殊院は頭のぼけ封じを担当されていますので、セットでのお参りがおすすめです。
天皇や貴族の建てたお寺とは違い、庶民によって支えられてきたおふさ観音には、人生相談におとずれる人も多いそうです。
境内のバラも「来た人を元気にしたい」ということで育てられていて、春と秋のバラまつりのころには3800種類のバラがすばらしい香りを放っているんですよ。
周辺では、「今井町」の街並みもおすすめです。戦国時代から「海の堺、陸の今井」と呼ばれて栄えた寺内町の雰囲気をお楽しみください。
奈良県橿原市小房町6-22 0744-22-2212
近鉄 大和八木駅よりバス「小房」下車徒歩5分
大和十三仏霊場には祈りがいっぱい
いかがでしたか?十三の霊場をざっとご紹介しました。それぞれの素晴らしい魅力を感じて頂けたら嬉しいです。
大和十三仏霊場の多くは、昔はもっと大きな境内があり、多くの建物があったお寺です。歴史の中で、廃寺の危機に陥った時も、たくさんの方々がお寺を守り、祈りをささげてきました。
私たちもその歴史の中のひとりです。ご朱印は仏さまとご縁を結んだ証のようなもの。
お参りできたことに感謝して手を合わせれば、きっと静かで安らかな空気があなたを包んでくれることと思います。皆様に、仏さまのあたたかいご利益と、幸せな時間がおとずれますように!
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20年以上のキャリアを持つフリーアナウンサー稲野一美です。全日本カート選手権や86/BRZRaceなど、レース実況をしているほか、テレビ・ラジオ、式典司会も行っている、元 京都きものの女王です。
また、歴史に詳しいことから、京都歴史ツアーガイドでリピート率80%以上を誇る人気ガイドとして多くの常連さんから支持を集めています。
趣味は、寺社仏閣、史跡巡り、ドライブやゴルフ、俳句、囲碁、ボランティアなど幅広く、日々多くの情報と触れ合っています。
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